はじめに 「恋の手ほどき」とは
今回取り上げるのは、1958年公開、ヴィンセント・ミネリ監督、レスリー・キャロン主演で、アーサー・フリード製作のMGMのミュージカル映画、「恋の手ほどき」(原題:Gigi)です。
1959年の第31回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚色賞、ミュージカル映画音楽賞、歌曲賞、美術賞、衣装デザイン賞、カラーの撮影賞、編集賞という、9部門を受賞。
👇「恋の手ほどき」のポスター

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脚本と劇中歌の作詞はアラン・ジェイ・ラーナー、劇中歌の作曲はフレデリック・ロウが手掛けました。
このコンビに覚えのある方も多いのではないでしょうか。そう、「マイ・フェア・レディ」のコンビです。
上に示したポスターの上部にも、「マイフェアレディ以来初めての、ラーナーとロウのミュージカル」という文言が。
ここでの「マイフェアレディ」は舞台版のことですね。
舞台ミュージカル「マイ・フェア・レディ」のブロードウェイ初演は1956年、
この映画「恋の手ほどき」の公開は1958年、
そしてオードリーヘップバーン主演の映画の「マイ・フェア・レディ」の公開は1964年です。
この映画「恋の手ほどき」、ラーナーとロウのコンビ以外にも、映画「マイ・フェア・レディ」との共通点があるのです。
まず両作品で音楽を担当したのがアンドレ・プレヴィン。そして、両作品での衣装は、セシル・ビートンによるものなのです!!
観ようと思ったわけ
見ようと思った理由は2つ。
①映画「マイ・フェア・レディ」が好きだから
と
②MGMのミュージカル映画が好きだから
です!
後に映画「マイフェアレディ」を作ることになる何人ものメンバーが、アーサー・フリードのもとで作ったMGMのミュージカル映画。
マイフェアレディ好きでMGM好きなら、観るっきゃないですよね!!
この作品を知ったきっかけ
「恋の手ほどき」は、現在の日本ではあんまり知名度が高くないように思うのですが、
私は、雨に唄えばの50周年記念盤DVDの特典映像についていた、アーサー・フリードを中心にしてMGMの歴史をたどっているドキュメンタリー映像で、「アーサー・フリード製作で成功した最後のミュージカル作品」という感じで紹介されていたり、
MGMのアンソロジー映画である「ザッツ・エンタテインメント」の中で(無印、パート2、パート3のどれだったかは忘れました。また確認して追記しますね)印象的に紹介されていたりしたことで知りました!
(追記:確認したところ、無印一作目の「ザッツ・エンタテインメント」でした!恋の手ほどきのラストシーンらへんが長尺で収録されてました!めっちゃネタバレになっちゃうので注意です!)
そのどちらでも、筆者の記憶では、モーリス・シュバリエの歌う「Thank Heaven for Little Girls」という曲のシーンが使われており、英語できないのであんまり何言ってるかわからないけど、「なんていい曲なんだろう!」という思いを抱きました。
マイ・フェア・レディの曲もすっごく好きなので、ロウの音楽が私は好きなんだと思います。
👇「トピック」という違法アップロードでないチャンネルの埋め込み
感想
ストーリーもマイ・フェア・レディと通ずる部分があった!
マイ・フェア・レディはご存知の方も多いように、下町っこのイライザが訛りを取り払い行儀も身に着けて、高貴な方々との場に参加できるまでになろうとしていく物語。
「恋の手ほどき」も、イライザほど庶民的ではないけどレディとまでは呼べない少女・ジジ(レスリー・キャロン)に、行儀作法を学ばせて、
超絶お金持ちプレイボーイなガストン(ルイ・ジュールダン)と、それまでのような友達みたいな関係ではなく、ガストンに見合う愛する人として接していけるレディにしていこうとする物語。
主人公の少女を周りがレディに仕立て上げようとするというところに、両作品の相似点を感じました。
ただやっぱり全部が同じではなくて、恋の手ほどきは、ガストンの最後の気づきと行動がすごく良いなと感じました。
映画のマイ・フェア・レディのあの人は、照れ隠しかもしれないけどああいう感じのまま終わりますもんね(そこが映画マイ・フェア・レディの魅力なのだろうけど(さらに補足:ジョージ・バーナード・ショーの原作では、イライザは映画とは違う人と幸せになりました。私はそっちの方が好きです))
また、映画「マイ・フェア・レディ」は170分あるのに対し、この「恋の手ほどき」は116分。マイ・フェア・レディよりも急展開の連続であるように思いました。
内容は、現在の感覚だとちょっとどうかと思う部分もありましたが、私は「いい映画だったな」という気持ちで見終えました。
セシルビートンのお洋服、ステキ~
セシルビートンの衣装、めっちゃいいです。
レスリー・キャロンの着るドレスもおしゃれだし、ルイ・ジュールダンやモーリス・シュバリエの着てる男性のシルクハットの姿もおしゃれ!!
マイ・フェア・レディのお洋服が好きな方、ぜひ恋の手ほどきのお洋服にも注目してみてください!!!
MGMミュージカル映画なのに、「踊らない」!
MGMのミュージカル映画って言ったら、ジーン・ケリーとか、フレッド・アステアとかが出て神業タップを見せ、この二人が出なくても何かしら踊っているイメージなのですが、
「恋の手ほどき」では、超絶タップダンスはせず、少しのダンスは踊るものの、ダンスをメインに見せるようなものではありませんでした。
マイ・フェア・レディだったり、サウンド・オブ・ミュージックだったりと、タップじゃない、MGMの黄金期の後の、次の世代のミュージカル映画のような演出がされていました。
MGMがこのような映画を!という感動もありましたが、
もうタップダンスのミュージカル映画の時代ではなくなっていたんだなという思いが、事前に得ていた「アーサー・フリードの最後に成功したミュージカル映画」という情報を踏まえながら鑑賞したことで湧いてきて、すごく寂しい気持ちにも。
MGM黄金期好きであることによる、そのホロリとできる感じも、この映画の魅力であるなと感じました。
エンディングでは、「ああ終わるんだ、この映画も、MGMの隆盛も」という気持ちに。そのエンディングは、モーリス・シュバリエが、先ほどご紹介した「Thank Heaven for Little Girls」を歌っているシーンだったので、だからドキュメンタリーとかザッツ・エンタテイメントでここのシーン使ってたんだな!と納得。(歌詞をよく読んだらちょっとどうかと思うところもあったのは確かです)
アーサー・フリードの作った映画で、アカデミー作品賞を受賞したのは、「巴里のアメリカ人」と「恋の手ほどき」だけで(どっちもミネリ監督だし、脚本はラーナーだし、レスリー・キャロンが出てる!!)、意外にも一番有名な「雨に唄えば」は受賞していないんですよね。
恋の手ほどき上映当時の人々は、どういう気持ちだったんだろうか。黄金期の終わりは目に見える形だったんでしょうかね??
ロウとラーナーのコンビ、最高~!
ミュージカル界における最強のコンビはやっぱりロジャース&ハマースタインだとは思うのですが、(サウンド・オブ・ミュージックがずっと好きでしたが、最近王様と私を見て、シャルウィダンス以外もめちゃくちゃ良かった!! 文末に感想記事貼るので、良ければご覧ください!)
ロウとラーナーもやっぱり最高!(最高つったって、私はまだマイ・フェア・レディと恋の手ほどきしか知らないのですが。次はブリガドーンを観たいですね。ジーンケリー主演だし。)
「Thank Heaven for Little Girl」の他にも、ルイ・ジュールダンの歌う「Gigi」って曲がすっごくいい!!!!
👇Gigi(違法でないトピックの動画)
また、「I Remember It Well」という曲を聴いて、「何の作品なのかわかってなかったけど、この曲のシーンもザッツ・エンタテイメントのどれかで流れてたわ!」と記憶がよみがえる!
👇I Remember It Well
親しみやすいのにおしゃれで気高さもあるような感じ。ロウとラーナーの音楽のそういうところが大好きです。
おわりに どういう人におすすめか
長々と語ってしまいました、「恋の手ほどき」。
ストーリーだけ楽しみたいという方には、ちょっと急展開なところもあるし、現在の倫理や常識の感覚からしてどうよ、と思う部分もあるので、胸を張っておすすめとまではできませんが、
ラーナー&ロウ、そしてアンドレ・プレヴィンだったり、セシル・ビートンの服だったりと、マイ・フェア・レディが好きな方、
また、MGMのミュージカル映画が好きな方(タップダンスがなくなった、衰退前の最後の輝きに耐えうる方)には、きちんと胸を張っておすすめできます!!!
ぜひ、「恋の手ほどき」、一度見てみてくださいね!!
お読みいただきありがとうございました!!